研究概要 |
自律的な英語学習を促すツールであるeポートフォリオの開発を行うにあたり,平成21年度は以下の3点を行った. 1. 英語能力に対する主観的評価と客観的評価のマッピング:大学生約2300名分の自己評価(Can-Do)アンケートとTOEIC-IPのデータを分析し,定性的な数値化されない指標(=自己評価アンケート結果)と定量的な数値化される指標(=TOEIC-IP得点)とをマッピングし,英語能力をレーダーチャートとして可視化するシステムを実装した.これにより,自己評価アンケート結果からTOEIC目安点を自動的に算出できるようになり,また主観的なアンケート結果と客観的なテスト結果とを合成することで,英語能力に対する評価のずれを学習者が視覚的に把握できるようになった. 2. 学習ストラテジーの調査:効果的に自律学習を行うためにはどのような学習方略が適切であるかを先行研究や実践事例から洗い出し,上記のマッピングシステムにより分類された英語能力レベルと学習方略とを照らし合わせた.また学習者を主観的な評価が高い学習者,逆に低い学習者,リスニングに比ベリーディングが弱い学習者,逆にリスニングが弱い学習者の4パターンに分け,それぞれに自信を付けさせるような学習方略をも検討した. 3. ポートフォリオの設計:これまでの研究を踏まえ,(1)初期段階での適切な評価(主観的評価+客観的評価),(2)評価に合わせた学習方略や教材の提示,(3)学習者ごとの学習進捗(signpost)と学習目標(goal)の明示,の3つの特徴を踏まえたポートフォリオの設計に取り組んだ.
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