研究概要 |
本研究は,インストラクショナルデザイン(ID)の自動化(Automating Instructional Design;AID)を指向した,2種類の教材シェル(AIDツール)の開発と,それらを通して,AID化の条件の整理や,構築ガイドラインの提案を目指している2年間の研究である.本研究の教材シェルとは,IDに基づく教授方略アルゴリズムを実装し,知識データを分離することでデータを入れ替えられるシステムを指す.初年度である平成19年度の成果は,以下の3点としてまとめられる. (1)欧米を中心として研究が進められ,日本にはまったく紹介されてこなかった,AIDに関する研究のレビューを行い,研究の動向を把握し,既存のいくつかのAIDツールを作成した枠組み上に整理し,AIDツールの課題を検討した.(論文1本投稿中,国内学会発表2件) (2)統合型ドリルシェル「ドリル工房」の開発および評価を行った.ID理論とし複数提案されているドリル制御構造をシステム上に統合し,それらの適用および学習のためのドリルシェルを提案した.また,システムは言語情報用であったが,知的技能への適用も検討した.(論文1本投稿中,国際会議発表1件,国内学会発表1件) (3)Merrillが提案しているID理論である教授トランザクション理論(Instructional Transaction Theory;ITT)に基づく教材シェルの開発を行った.学習(配信)環境とオーサリング環境の2種類のプロトタイプを開発した.ナレッジオブジェクトと呼ばれる学習支援に特化した学習オブジェクトを利用して,同定・実行・解釈の3つのトランザクションの方略を実装した.(国際会議発表1件,国内学会発表2件)
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