平成19年度は、本研究課題である「不登校段階に応じて支援可能な多人数参加型の不登校改善支援システムの開発と評価」に向けて、Contents Management System(CMS)を用いた不登校生徒のための支援システムのプロトタイプを作成した。このプロトタイプのシステムは、多くの教育現場で使用しやすいように、一般的でフリーのCMSであるJoomla!を用いて作成した。また、作成の途中で教育委員会の教員の意見を取り入れた。つまり、実際に教育センターの相談室において不登校支援にICTを導入した際に必要になるであろう相談室内の通常の文書決裁に合うよう、また不登校生徒の実状に合うように、教育センターでの不登校支援に特化したシステムを目指して作成を行った。 さらに、大学生を対象にして、インターネットや携帯メールを用いたコミュニケーションにおける感情的な側面を検討するための基礎研究も並行して行った。すなわち、研究代表者や研究協力者がこれまで行ってきた研究を踏まえて、より詳細にメディアと人間(送信者と受信者)に焦点を当て、不登校支援にICTを導入した際に考えられるような、コミュニケーションにおける感情伝達を中心に感情面についてさまざまな観点から分析を行った。 作成したシステムの改善および実際の教育現場での評価は、平成20年度に実施する予定である。なお、上述の研究は、結果の得られた時点で逐次、成果を発表した。
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