研究概要 |
本研究は電気工学科の学生実験における理解度向上およびモチベーション維持のために, 工学実験装置と簡単に連携をとることができる実験指導支援システムの構築を目的とする. 電気工学系の学生実験は計測点数が非常に多く, 実験中に解析する時間を取れないのが現状である. この実験計測と解析作業の間が開いてしまい現象理解の大きな妨げになっていることが, 学生の報告書内容からわかった. 一方, 指導教員は学生の計測中に測定値からいち早く問題を見極め指導する必要があるが, 現実には解析なしに測定値だけで判断することは非常に難しい. これらの問題を改善するために, 指導者が望むタイミングで測定値を収集・解析し, その解析結果や, 異常診断などを, 指導教員が実験中の学生指導時に確認できる実験指導支援ツールの開発が必要となった. 今年度は前年度の結果を受けて, 様々なセンサなどの計測機器から計測値を読み取り収集するインターフェース装置の開発を行った. 本装置は前年度に開発した無線通信モジュールのスレーブ側に接続し, 計測器と通信部とのデータを中継する役割を果たす. また, 最近はRS-232Cシリアル通信が可能な計測器が増えていることから, RS232C経由で取り込む機能を主として開発した. そして開発したインターフェース装置を用いて, 電気機器系実験で多用される電圧電流計, 回転計といった計測器に接続しデータを取り込めることを確認した. したがって, 計測機器から計測値をリアルタイムで収集し, 指導教員が扱うマスタにデータを集約させる実験指導支援ツールが実現できた.
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