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2008 年度 実績報告書

東北地方におけるスギ、ヒバの暦年標準パターン延長と古気候復元

研究課題

研究課題/領域番号 19700664
研究機関東北大学

研究代表者

大山 幹成  東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)

キーワード年輪年代学 / 年輪気候学 / スギ / ヒバ / クロノロジー
研究概要

今年度は、研究の2年目として昨年度に引き続き暦年標準パターンの延長のための試料収集・計測を行い、平行して、新たに仙台のスギを対象とした古気候復元の解析を行った。
標準パターンの延長については、ヒバ(およびアスナロ)を対象として、仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区(17-18世紀)、および青森県の猿が森埋没林出土の木材を調査した。前者では収集した屋根材100点近くを計測し、フローティングのクロノロジーを構築できる目処を立てることができたので、現在さらに解析を進めている。後者では、防衛省下北試験場内からヒバを中心とした埋没木を100点近く収集し、年輪解析を進めた。その結果、400年以上のクロノロジーを構築可能であることが明らかとなった。これについては、来年度、放射性炭素年代を行うとともに、引き続き試料収集と解析を進める予定である。一方、スギを対象としては、秋田県内の近世の木材収集を目的として、院内銀山金山神社の古材、古川堀反町遺跡から試料を借用して現在計測をおこなっている。
一方、古気候復元の研究については、新たに東北地方太平洋側の地点として、東北大学植物園に生育する高樹齢のスギ13点を対象に現生材の年輪幅を用いた古気候復元の可能性を検討した。得られた試料のクロノロジーを構築・解析した結果、年輪幅成長は、当年春および前年の夏の気温に応答していることが明らかとなった。この結果をもとに、重回帰分析を用いてこの地域の春または夏の平均気温を復元するモデル式を検討している。また、この成果により、ヒノキ科の樹種は本州内で類似した気候応答をしていることが明らかになってきたため、既に現生材クロノロジーが構築されている他地域(秋田・スギ、青森・ヒバ、木曽・ヒノキ)のクロノロジーとの同調性について現在検討している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 東北地方におけるスギ、ヒバのクロノロジー構築と古気候復元2009

    • 著者名/発表者名
      大山幹成
    • 雑誌名

      吉田学記念文化財科学研究助成基金研究論文誌 2

      ページ: 101-108

  • [学会発表] 日本産樹木による古気候復元の試み2008

    • 著者名/発表者名
      大山幹成・米延仁志・星野安治
    • 学会等名
      日本文化材科学会第25回大会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      20080614-15
  • [学会発表] 日本における年輪年代学の現状と将来への展望2008

    • 著者名/発表者名
      星野安治・大山幹成・米延仁志
    • 学会等名
      日本文化材科学会第25回大会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      20080614-15
  • [学会発表] 年輪年代法による年代決定 : クロスデーティングの実演2008

    • 著者名/発表者名
      米延仁志・大山幹成・星野安治・Dieter Eckstein
    • 学会等名
      日本文化材科学会第25回大会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      20080614-15
  • [学会発表] 東京都千代田区弥勒寺跡出土の木棺材より構築した年輪幅クロノロジー2008

    • 著者名/発表者名
      大山幹成・鈴木伸哉・八木千紘・鈴木三男
    • 学会等名
      日本文化材科学会第25回大会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      20080604-20080415

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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