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2007 年度 実績報告書

改良型インパクターフィルターによる大気中超微小粒子の分級濃縮捕集と成分組成の評価

研究課題

研究課題/領域番号 19710003
研究機関埼玉大学

研究代表者

関口 和彦  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50312921)

キーワード超微小粒子 / 多重管拡散デニューダー / 炭素成分 / 多環芳香族炭化水素(PAH) / 高度別観測 / 不均一核形成 / 拡散移流 / 光化学二次生成
研究概要

実施した研究概要
本年度は、多重管拡散デニューダーのガス吸着能ならびに超微小粒子の通過効率試験を複数の管数に対して行い、高流量により超微小粒子の慣性分級を行うインパクターフィルター(慣性フィルター)に適した多重管デニューダーの選択をまず行った。さらに、次年度においては、この多重管デニューダーと慣性フィルターを接続した系にて大気観測を行う計画にしていることから、本年度はその基礎試験として、インパクターフィルターのみによる超微小粒子の分級と観測を実験室レベル(燃焼実験装置とディーゼル発電機を使用)、ならびに、実大気空間(都市部道路近傍と高層ビル上階)にて行い、超微小粒子の空間分布と成分組成の把握を行った。
得られた成果
多重管拡散デニューダーのガス吸着能ならびに超微小粒子の通過効率試験において、インパクターフィルターでは40L/minの高流速が必要であり、超微小粒子の通過には有利に働くためにほぼ問題ない効率を示した。ただし、拡散によるガス吸着は流量の影響を大きく受け、実大気観測の長期使用においては、3チャンネル以上(5チャンネルが最も望ましい)の多重管拡散デニューダーを使用する必要性が示唆された。一方、超微小粒子の分級と観測においては、まず、実験室的な燃焼実験から、粒子成分の発生源による違いが超微小粒子域に顕著に現れることを確認した。その上で、実大気観測を都市部道路近傍と高層ビルで行い、超微小粒子成分について以下を明らかにした。
・道路近傍での主要成分は炭素成分であるが、季節別の不均一核形成の作用により有機炭素成分は異なる。
・冬期は自動車排ガスの影響を強く受けるが、夏期は、光化学二次生成由来の粒子が混在する。
・発癌性を有する多環芳香族炭化水素(PAH)の割合は、超微小粒子域で高く、冬期はそれが顕著になる。
・超微小粒子は拡散性が高く、高層ビルの下層から上層へ顕著に拡散移流する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 都市部高層ビルにおける超微小粒子の炭素成分挙動2007

    • 著者名/発表者名
      工藤慎治、関口和彦
    • 雑誌名

      大気環境学会誌 42

      ページ: 369-376

    • 査読あり
  • [学会発表] 高層ビル上層階における超微粒子の観測2007

    • 著者名/発表者名
      関口和彦, 他
    • 学会等名
      第48回大気環境学会年会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2007-09-06
  • [学会発表] Sampling and analysis of atmospheric ultrafine particles at the upper and lower floors of a high-rise building in the urban area2007

    • 著者名/発表者名
      K. Sekiguchi, et. al.
    • 学会等名
      5th Asian Aerosol Conference
    • 発表場所
      高雄
    • 年月日
      2007-08-27
  • [学会発表] 都市部超微小粒子の高度別観測2007

    • 著者名/発表者名
      関口和彦, 他
    • 学会等名
      第24回エアロゾル科学・技術研究討論会
    • 発表場所
      和光
    • 年月日
      2007-08-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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