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2008 年度 実績報告書

共鳴多光子イオン化法を用いた有害微量成分の実時間分析とその大気への影響の評価

研究課題

研究課題/領域番号 19710006
研究機関首都大学東京

研究代表者

松本 淳  首都大学東京, 戦略研究センター, 准教授 (70402394)

キーワード共鳴多光子イオン化 / 揮発性有機化合物 / 実時間分析 / ラジカル反応性 / 放出特性 / 大気化学 / オゾン生成能 / 芳香族化合物
研究概要

本研究は、共鳴多光子イオン化法を用いた分子選択的な実時間分析によって、揮発性有機化合物(VOC)など有害成分の各種発生源からの放出特性を詳細に把握し、大気環境への影響評価への活用を試みた。前年度までの成果(レーザー2台の同期制御による2成分同時共鳴分析法の確立、実際の発生源・成分の分析試験)をベースとして、本年度は以下の研究を実施した : (1)2成分同時共鳴分析、多成分同時非共鳴分析、再現性の高い個別成分分析の繰り返し、のいずれかによる測定結果を用いて、成分間の相関を解析した。(2)大気ラジカル(OH, NO3など)との反応性、およびオゾン生成能MIRの視点から、各発生源・成分・条件等に対して環境影響評価を試みた。その結果、(a)自動車排気では、揮発由来成分と燃焼由来成分で排出挙動が大きく異なることを秒単位で捕捉した。特に、フェノールの挙動が他のベンゼン類と大きく異なることが特徴的であった ; (b)塗装からの放出の変動を秒単位で追跡した結果、ベンゼンなど高揮発性成分の影響が、塗布直後に重大であることを実験的に確認した ; (c)自動車排気VOCは、ラジカル反応性やオゾン生成能に関しては、高速走行時の環境影響が特に大きいことを確認した ; (d)暖機状態の自動車では、アイドリング停止はVOCによるオゾン生成などの影響を抑えるのに有効であることが示された。以上のように、共鳴多光子イオン化法を活用した実時間分析は、きめ細かい排出対策のための知見を得るのに有効であることが示された。今回調べたところでは、高速走行時の自動車排気の対策が特に重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] In situ, fast-response, molecular-selective methods for measuring emission factors of volatile organic compounds (VOCs) into the atmosphere2009

    • 著者名/発表者名
      J. Matsumoto, et.al.
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 38

      ページ: 74-75

    • 査読あり
  • [学会発表] 共鳴多光子イオン化法を用いたVOC放出フラックス測定2008

    • 著者名/発表者名
      松本淳
    • 学会等名
      大気環境学会年会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2008-09-17
  • [学会発表] 共鳴多光子イオン化質量分析法による揮発性有機化合物の分子選択的なリアルタイム分析-大気化学への活用-2008

    • 著者名/発表者名
      松本淳, ほか
    • 学会等名
      地球惑星科学連合大会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2008-05-30
  • [学会発表] 共鳴多光子イオン化法を用いた排出ガス中フェノールの分子選択的リアルタイム分析および大気環境への影響評価2008

    • 著者名/発表者名
      松本淳
    • 学会等名
      自動車技術会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-05-22
  • [学会発表] 共鳴多光子イオン化-飛行時間型質量分析法を用いた気相中フェノール類の分子選択リアルタイム分析2008

    • 著者名/発表者名
      松本淳
    • 学会等名
      分析化学討論会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-05-15
  • [備考]

    • URL

      http://www.comp.tmu.ac.jp/jm-strategy/index-j.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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