毎年のように森林火災による被害を受けているインドネシア・中央カリマンタンの熱帯泥炭湿地林において、泥炭地火災のハザードとして地下水位異常低下を感知するための方法を確立することを研究目的としている。MODIS/Terra Vegetation Indices 16-Day L3 Global 250m SIN GridV005データ:2001年1月~2008年12月の植生指数NDVI時系列データを使用した。現地地下水位データとの照合結果から、NDVI値が全対象期間の平均値から3σ(標準偏差の3倍)低下した場合に、地下水位が大きく低下(平均値-2σ)することが示された。この関係の広域での適用性を検証するため、特にエルニーニョ発生年乾期(2002年および2006年8月~10月)に着目し、時系列NDVIデータから3σ低下したピクセルを抽出し、これと火災検知データ(MODIS/Terra Thermal Anomalies/Fire 8-Day L3 Global 1km SIN GridV005)との検証を行った。その結果、NDVI3σ低下領域における火災検知精度は、2002年、2006年それぞれ57%、43%となった。この精度検証では、植生域・非植生域の区別を行っていなかったため、この部分を改善する事で、植生域においてはハザードの精度を上げる事が可能であると考える。
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