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2008 年度 実績報告書

アミノ酸の光学異性体組成(D/L一体)を利用した溶存有機物の起源推定

研究課題

研究課題/領域番号 19710019
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

川崎 伸之  独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, NIESボスドクフェロー (00446387)

キーワード溶存有機物 / DOM / バクテリア / 難分解性DOM / D / L一体アミノ酸 / 起源推定
研究概要

アミノ酸の量や組成は、溶存有機物(DOM)の分解性や初期続成作用を知る上で重要な情報を提供してくれるが、海洋DOMにおけるアミノ酸の最も興味深い特徴は、D-アミノ酸の存在である。グリシンを除くアミノ酸には光学異性体(鏡像異性体)が存在し、D-体とL-体と呼ばれている。全生物中のタンパク質はL-体のみで形成されているが、海洋DOMのアミノ酸には、D-アミノ酸が多数存在する。バクテリアの細胞壁の一部であるペプチドグリカンにはD-アミノ酸が存在し、その他のバクテリア由来のバイオマーカーも海洋DOMの大部分を占める難分解性DOMの主要な起源ではないかという仮説が提唱されている。陸水域である湖沼・河川でも、海洋と同様にDOMの分解性や起源が注目されているが、海洋においてバクテリアが難分解性DOMの主要な起源であると示されているにも関わらず、河川や湖沼ではアミノ酸を測定した研究がほとんどなされていない。本研究ではこの点に注目し、D/L-アミノ酸を使って異なった水域でのバクテリア起源のDOM量を明らかにすることを提唱し、アミノ酸に量と室に関する情報とDOMの分解性や分子サイズなどとの関連性を明らかにする。
平成20年度はアミノ酸を測定する新しいHPLCを導入し、より高感度の測定法の確立を目指すとともに相模湾や東京湾などでも試料採取を行った。相模湾の試料ではD-アミノ酸の存在比(D/L比)は外洋と比べて低いことがわかり、地域によってD-アミノ酸の存在比は異なること、またD-アラニンのD/L比は深度方向に向かって増加していることから続成作用を示す指標になりえることが分かった。現在はデータを整理して論文投稿の準備をしている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 全有機炭素検出器を組み込んだサイズ排除クロマトグラフィーによる様々な水環境下での溶存有機物の分子サイズ分布の検討2009

    • 著者名/発表者名
      川崎伸之、松重一夫、今井章雄、小松一弘、大岸史和、矢幡雅人、三上博久、後藤武
    • 学会等名
      日本水環境学会
    • 発表場所
      山口大学
    • 年月日
      2009-03-16
  • [学会発表] 全有サイズ排除クロマトグラフィーシステムにおけるカラムの種類および溶離液組成が及ぼす影響の検討2008

    • 著者名/発表者名
      川崎仲之、松重一夫、今井章雄、小松一弘、大岸史和、矢幡雅人、三上博久、後藤武
    • 学会等名
      日本陸水学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-10-13

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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