研究概要 |
平成19年度は、Ca Mau, Soc Trang, Bac Lieu省を中心に現地調査を行うとともに、2000-2007年のMODIS時系列データの解析を行った。 1. 沿岸部におけるエビ養殖地を時系列MODISデータから抽出するアルゴリズムを開発・改良した。2000年以降のBac Lieu, Soc Trang省の県別統計データと比較した場合の決定係数(R^2)は0.97であり、沿岸部における内水養殖地域の拡大過程を広域的に捉える上で十分な精度を有することが示された。 2. MODISから推定された内水養殖地とその年次変化は、現地の農家聞取り調査の結果と概ね一致していた。しかし、一年のうちにエビ養殖と水稲作を繰り返し行う"shrimp-rice farming"については、植生と水域のミクセル影響が原因で、うまく捉えることができない地域も含まれていた。 3. MODIS時系列解析結果から、SocTrang, BacLieu省における内水養殖(主にエビ養殖)は、2000年以降、急速な広がりを示している。内水養殖地は、水路・小河川を境に稲作地帯とのゾーニングが全般的になされているが、一部、水路・小河川を越えて、稲作地帯にまで広がっている地域を確認した。 4. 灌漑水路内の塩分濃度と養殖地拡大の空間比較を行うための塩分濃度観測データおよび水文モデルシュミレーション結果を収集した。
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