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2008 年度 実績報告書

過去の地球温暖期における東アジアの気候安定性

研究課題

研究課題/領域番号 19710026
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

長島 佳菜  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, 研究員 (90426289)

キーワード気候変動 / 地球温暖化 / アジアモンスーン / 古気候 / 古海洋 / 偏西風
研究概要

東アジア縁辺海および北太平洋において、南北トランセクトで採取された海底堆積物に含まれる風成塵の供給源と粒径、およびそれらの時・空間分布を検証し、過去の温暖期における偏西風主軸・蛇行度の変動を調べ、温暖期における東アジアの気候安定性を検証することが本研究の目的である。そこで当該研究課題の2年目となる平成20年度は、日本海の中部および南西部から採取された海底コア試料(KR07-12-PC-8,KR02-06-DGC6)を用いて、最終氷期最盛期から現在に至るまで、主に後氷期(過去約1万年前〜現在の温暖期)における偏西風軸の変動を検証した。
1.日本海南北トランセクトコアを用いた分析 日本海の2地点で採取されたピストンコア試料の過去3万年間に相当する層準から、約200年間隔でサブサンプリングを行い、分析に用いた。日本海に堆積する砕屑物のシルトサイズ(>4μm)粒子はそのほとんどが風成塵であることが示されていることから(Nagashima et al.,2007)、各試料について薬品処理および沈降法を用いてシルトサイズの陸源砕屑物粒子を抽出し、石英の電子スピン共鳴(ESR)分析、粉末X線回折(XRD)分析を行った。
2.分析結果 ESR/XRD分析の結果から、風成塵の主な供給源が最終氷期から後氷期にかけて、モンゴル南部のゴビ砂漠からタクラマカン砂漠へと移行したことが示された。次に、南北トランセクトコアでの風成塵供給源の違いを基に、偏西風主軸の動きを詳しく検証したところ、約2万5千年前から1万年前にかけて偏西風軸が北上し、更に後氷期において、およそ2千年の周期で偏西風軸が南北にシフトしていた可能性が示された。この結果は、氷期と間氷期との間で東アジアの気候システムが大きく変化したこと、また氷期に比べ気候が安定していたと考えられている間氷期(温暖期)においても、準周期的な東アジアの気候変動が起こっていたことを示唆する。来年度以降は更に過去に遡り、約12万年前の間氷期について、偏西風の変動を検証する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 最終氷期以降の偏西風ジェットの変動とアジア夏季モンスーンとの関係2009

    • 著者名/発表者名
      長島 佳菜
    • 学会等名
      Blue Earth'09シンポジウム
    • 発表場所
      立教大学, 東京
    • 年月日
      2009-03-13
  • [学会発表] 風成塵の電子スピン共鳴(ESR)信号から復元するLGM以降のアジアモンスーン・偏西風の変動と海洋への伝播2009

    • 著者名/発表者名
      長島 佳菜
    • 学会等名
      古海洋シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学海洋研究所, 東京
    • 年月日
      2009-01-08
  • [学会発表] Westerly jet-Asian Monsoon coupling during the last 30 kyr.2008

    • 著者名/発表者名
      Kana Nagashima
    • 学会等名
      2008 American Geophysical Union Fall Meeting
    • 発表場所
      The Moscone Center, San Francisco, USA
    • 年月日
      2008-12-16
  • [学会発表] Westerly Jet-Asian Monsoon Coupling during the Last Deglaciation and Holocene.2008

    • 著者名/発表者名
      Kana Nagashima
    • 学会等名
      6^<th> International Conference on Asian Marine Geology
    • 発表場所
      University dormitory of the Kochi University of Technology, Kochi, JPN
    • 年月日
      2008-08-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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