• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

川のネットワーク構造の再生による魚類生息量の変化:トキ放鳥に向けた採餌環境整備

研究課題

研究課題/領域番号 19710027
研究機関九州大学

研究代表者

河口 洋一  徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20391617)

キーワードPitタグ / 水系ネットワーク / 佐渡島 / 河川環境修復 / 水田魚道 / ドジョウ / トキ
研究概要

トキの餌として重要なドジョウは,川から水路・氷田と移動し,水田を産卵場,水路を稚魚の生育場として利用する.そのため,河川・水路・水田間の繋がりが分断されている状態は,水田を産卵場として利用するドジョウそしてトキの採餌環境からも好ましくない.本研究では,川のネットワーク構造に注目し,ネットワーク構造の再生前後に,エレクトリックショッカーを用いた定量調査,ならびにICタグ(Pitタグ)を装着した魚類によるネットワーク内の移動状況を併せて解析し,ネットワーク再生による魚類の応答を,定性・定量的に明らかにすることを目的とした
今回は,Pitタグの成果について報告する.Pitタグを用いてドジョウの遡上・移動調査を行ったところ,ドジョウが川から水路に移動するタイミングは,降雨によって水路の水位が上昇しだすが,川の水位がまだ上昇していない段階だった.次に,水路から水田に移動するタイミングは,降雨に伴い水路と水田の水位が共に上昇する時に,ドジョウは産卵場である水田に遡上していた.さらに,水路から水田・休耕田に遡上したドジョウが,遡上先にどれくらい滞在するかは,各環境の水位変化と関係していた.水位変化の大きい慣行田では,遡上したドジョウが頻繁に出入りしていたが,水位変化の小さい休耕田ではドジョウの出入りはほとんど見られなかった.ドジョウの遡上からネットワークの再生ポイントを整理すると,河川と水路のつながりは増水時に落差がなくなり繋がるのではなく,常に繋がっている必要があること,また,水田魚道については,降雨に伴う魚道への流れ込みに対応してドジョウの遡上が見られたことから,降雨時に魚道に水が流れればいいことが示された.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 水系ネットワークの再生による氾濫現環境の修復2009

    • 著者名/発表者名
      河口洋一
    • 雑誌名

      水利科学 306

      ページ: 34-52

  • [雑誌論文] トキ野生復帰に向けた水環境再生の試み2009

    • 著者名/発表者名
      河口洋一
    • 雑誌名

      土木技術資料 51,8

      ページ: 130-138

  • [雑誌論文] Distribution of the oriental weatherloach (Misgurnus anguillicaudatus) on paddy fields and its implications for conservation in Sado Island, Japan.

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Kano
    • 雑誌名

      Ichthyological Research (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 佐渡島の小河川における魚類を対象とした農業用取水堰改良効果の検証

    • 著者名/発表者名
      山下奉海
    • 雑誌名

      応用生態工学会誌 (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 河川と農地の再生技術2010

    • 著者名/発表者名
      河口洋一
    • 学会等名
      第57回日本生態学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2010-03-19
  • [学会発表] 佐渡島におけるドジョウの成長段階に応じた生息場所利用2009

    • 著者名/発表者名
      斉藤慶
    • 学会等名
      日本魚類学会年会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2009-10-10
  • [学会発表] Should the water be ran though the fish-ways in the drought period?2009

    • 著者名/発表者名
      Tomomi Yamashita
    • 学会等名
      応用生態工学会第13回大会
    • 発表場所
      埼玉
    • 年月日
      2009-09-27

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi