研究課題
DNAは化学物質であるために様々な物質・エネルギーと反応し、遺伝情報の変異を引き起こす。この変異が積み重なると最終的に癌や老化を引き起こす。空然変異の中でも最も単純な点突然変異は12通り存在し,そのうちグアニンからジトシンへの変異(G→Cトランスバージョン)のみが最近まで不明であった。我々は最近まで発生機構が不明であったG→Cトランスバージョンを優位に引き起こすDNA酸化損傷オキサゾロン(Oz)を見いだした。G→Cトランスバージョンはがん細胞におけるras遺伝子やp53遺伝子の点突然変異で見られる上、光増感反応やいくつかの酸化剤を用いた反応においても優位に起こる点突然変異である。G→CトランスバージョンをひきおこすOzが容易に検出できれば、細胞がガン発生のプレ状態にあるか否かを判別できる可能性がある。そこで我々はOzを固相担体に結合させ、40塩基のランダム配列を含んだDNAライブラリーからDNAおよびRNAアプタマーをSELEX法で選択した。しかしながら、選択されてきたDNAおよびRNAアプタマーはブリーのOzに全く結合しなかった。そこで本年度、フリーのOzに結合するアプタマーを得ることができるよう、Ozと固相担体の間のリシカーを工夫し、昨年度と同様にSELEX法でDNAおよびRNAアプタマーを選択した。その結果、得られたDNAおよびRNAアプタマーは、解離定数が0.3microM以上のものであった。本年度得られた知見をもとに今後、より綿密な分手設計をした上でOz結合固相担体を合成することで、Ozに対してより結合能の強いアプタマーを得たいと考えている。
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