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2008 年度 実績報告書

植物と微生物機能のハイブリッドバイオレメディエーションによる高度水質浄化法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19710060
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

遠山 忠  室蘭工業大学, 工学部, 助教 (60431392)

キーワード根圏微生物 / アルキルフェノール / 生分解 / ヨシ / 分解菌の集積効果 / ファイトレメディエーション / 水生植物
研究概要

水生植物とその根圏に棲息する微生物を活用して水環境のアルキルフェノール汚染を効率的に浄化することを目的として、水生植物根圏のアルキルフェノール分解能を評価するとともに、アルキルフェノールの分解を促進する水生植物の役割の解明と根圏でアルキルフェノールを分解する特殊な微生物を探索することを試みた。抽水植物ヨシを供試植物として、その根圏で4-n-ブチルフェノール、4-tert-ブチルフェノール及びノニルフェノールの分解実験と、アルキルフェノール以外の内分泌攪乱化学物質としてビスフェノールA、ビスフェノールF及びピレンの分解実験を行った。その結果、ヨシが存在しない底質ではそれらの物質は明確な分解を受けず長期間残留したものの、ヨシの根圏底質ではいずれの物質も速やかに分解、除去された。ヨシは根圏に酸素とフェノール性物質を多く含む根分泌物を供給しており、それらの効果がアルキルフェノール及びその他の内分泌撹乱化学物質の効率的な微生物分解に寄与しているものと考えられた。また、そのヨシ根圏から、4-n-ブチルフェノール分解菌、4-tert-ブチルフェノール分解菌、ノニルフェノール分解菌、ビスフェノールA分解菌、ビスフェノールF分解菌とピレン分解菌を分離することに成功した。ヨシ根圏にはこれらの特殊な分解菌を集積する効果があることが示唆された。しかし、どのようにして特殊な分解菌がヨシの根圏に集積するのかを明らかにするには更なる検討が必要である。以上の成果から、ヨシを用いた植生浄化法がアルキルフェノールによる底質汚染の浄化として有用であることが結論付けられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Biodegradation of bisphenol A and bisphenol F in the rhizosphere sediment of Phragmites australis2009

    • 著者名/発表者名
      遠山忠
    • 雑誌名

      Journal Bioscience and Bioengineering (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] ヨシ根圏におけるピレン及びベンゾ[a]ピレンの分解2008

    • 著者名/発表者名
      遠山忠
    • 学会等名
      日本水処理生物学会
    • 発表場所
      秋田市(秋田市文化会館)
    • 年月日
      2008-11-13
  • [学会発表] ヨシ根圏におけるビスフェノールAの分解2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤雄介
    • 学会等名
      日本水処理生物学会
    • 発表場所
      秋田市(秋田市文化会館)
    • 年月日
      2008-11-13
  • [学会発表] ヨシ根圏における4-n-ブチルフェノール分解菌と4-tert-ブチルフェノール分解菌の集積2008

    • 著者名/発表者名
      遠山忠
    • 学会等名
      日本生物工学会
    • 発表場所
      仙台市(東北学院大)
    • 年月日
      2008-08-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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