人工湿地を利用した水質浄化システムにおける糞便性大腸菌群の除去機構を、原生動物の捕食効果に着目して明らかにすることを目的とした。 浄化対象は、宮城県北部に位置する伊豆沼周辺の水鳥給餌池水とし、3年間の経時的な水質および微生物相変化、とくに水鳥飛来の有無による原生動物や糞便性大腸菌相の動態を把握した。また、池水中の大腸菌群の由来を確認するため、オナガガモやハクチョウの糞から大腸菌を分離した。池水中において観察された原生動物はHalteria sp.や Bursalia sp.など遊泳性の繊毛虫類が多かった。一方、原生動物による糞便性大腸菌の捕食効果について、定量的に明らかにはならなかった。
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