研究課題
.本研究の目的は(1)従来にない斬新な米デンプンの変成法を開発、 (2) (1)の手法で得た改質デンプンと汎用プラスチック材料とのコンポジット技術の開発を行うことである。本年度は、以下の2点について検討を行った。(1) 「酒米粉の特異な物性発現機構を明確化」酒造時の廃棄米粉である酒米粉の物性について検討を行った。具体的には、広角X線回折による結晶構造解析および水懸濁液のレオロジー特性について検討を行った。酒米粉の広角X線回折の結果、回折ピークは認められず、非結晶状態であることがわかった。このことから、酒米粉は粉砕時に澱粉の結晶が崩されていることが考えられる。レオロジー特性についても、酒粉粉は非結晶澱粉の特徴である高い膨潤性を有し、高粘度であることを明らかにした。(2) 「プラスチック材料とのブレンドと手法の確立」極性を有するアイオノマー樹脂に上記の酒米粉を溶融ブレンドし、その分散性と機械的物性を明らかにした。溶融ブレンドにより一般の米澱粉と比較し、酒米粉は高い分散性を示した。さらに機械的物性として、一軸引張試験を行った。非結晶性澱粉である酒米粉をブレンドした系では、一般の米粉に比べ、初期弾性率が高く、高い降伏応力を有することを明らかにした。次年度は、マトリックスに生分解性樹脂を用いて、同様の検討を行う予定である。
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Polymer Journal 40(4)
ページ: 350-353