研究概要 |
昨年度、私は、極薄Si酸化膜を用いることで、Si基板にエピタキシャル成長した超高密度(>10^<12>cm^<-2>、Fe_3Siナドットの形成法の開発に成功した。本年度は、SQID装置を用いて、私が開発した手法により形成したナノドットの磁性についで詳細に調べた。数nmサイズの半球状のFe_3Siナノドットは、低湿(<100K)では、強磁性を示すが、室温では、超常磁性を示した。また、鉄とSiの組成比を変化させると、ナノドットの形状が変化し、その形状に伴い,強磁性-超常磁性の転位温度が変化するということを発見した。これを詳細に調べ、ナノドット形状と磁性の間に強い相関があることを示した。これらの結果から、デバイス応用で必要とされる"室温動作"のためのナノドット形成条件を見出すことができた。以上の研究成果かち、ナノドットの形成とその磁性を明らかにするという本研究の自的をほぼ達成できたといえる。また、磁性デバイスとして期待するFe_3Siと光学デバイスの融合への応用も考え、光学材料として有望な材料(β-FeSi_2、GaSb等)のSi基板への形成技術開発、そのナノドットの発光特性を評価するためのナノ分光法開発に関する予備的実験も行った。その結果、将来、この強磁性を示すFe_3Siナノドットと光学材料とをSi基板上に形成することで、磁性・光学融合デバイスの可能性が示されたといえる。
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