新規な電極材料、分離膜、触媒担体、吸着剤など、多機能、高性能炭素材料の開発を目指し、有機鋳型法を用いたポーラスカーボン材料の合成に取り組んだ。本研究では、シリカ系鋳型を用いずに、有機-有機相互作用を利用してメソポーラスカーボンを1段階で合成する手法を開発した。これまで、有機鋳型剤としてトリブロックコポリマーPluronic F127とP123、炭素源としてレゾルシノール(R)-フォルムアルデヒド(F)を用い、前駆溶液を調製した。 今回、規則的構造体の耐熱性向上を目指し、カーボンの熱収縮を抑える目的で、カーボン源としてナフタレン環をもつジヒドロキシナフタレンを用いた。得られたカーボンは、これまで同様の周期構造を有し、かつ耐熱性を高めることができた。 これまで報告されているソフトテンプレート法は、液体のカーボン源を使用したものである。今回、カーボン源としてベンジルアルコール蒸気を用いる蒸気合成法を開発した。得られた膜は、15nmと極めて薄く、メソ細孔が1層並んだものが得られた。
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