研究概要 |
申請時の準備状況として,二相ステンレス鋼を用いた精密熱処理とエッチング技術によるニードル形状の製作,および,そのニードル形状上での細胞培養の成功があった.これらを踏まえ,より高効率な遺伝子導入を目指すナノ・ニードル基板エレクトロポレーションの開発を推し進めるべく,H19年度は以下に研究課題を設定していた. 1)より遺伝子導入に適したニードル形状の制御 ニードルは,一方向と3方向の2種類が製作可能である.これらニードル形状を変数として細胞培養に適した形状を検討した結果,ニードルが3方向のときに遺伝子導入効率がよいことがわかった. 2)局所加熱が細胞に及ぼす影響と遺伝子導入率の変化 一般的な金属膜電極と比較して,ニードル形状基板は遺伝子導入のためのパルス電圧印可量を大幅に減らすことができた.また種々の検討の結果,局所加熱は細胞に対して有益な影響を与えないことがわかった. 3)ニードル形状に依存した電場解析 有限要素法をもちいてニードル形状の電場解析を行った結果,平滑基板と比較して極めて良好な電解集中を生じていることがわかった.
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