研究概要 |
2008年度の研究では, リスクを明示的に取り入れた企業の潜在的財務指標を計測する理論モデルを構築した. 具体的な研究業績は, 国際ジャーナルに論文3本掲載(1本は掲載決定すみ印刷中), 国内ジャーナルに論文1本掲載, 書籍1冊出版に集約される. Shibata(2008)では, 非完備情報と企業の投資プロジェクト評価方法を提示し, Nishihara and Shibata(2008)やShibata(2009)では, 株主と経営者の情報の非対称性から生じる両者の利害対立を考慮に入れた上で, 企業の投資プロジェクト評価方法を提示した. また, 芝田・山田(2008)では, 複数の銀行がある特定の企業に融資をしている場合, 企業業績の悪化に伴い, 複数の銀行が戦略的債権回収を企業に要求する結果, 企業にどのような影響を与えるのかについて分析し, その効果を考慮した上での企業の負債価値評価式を提示した。さらに, 2008年8月に朝倉書店から書籍「リアルオプションと投資戦略」を刊行した. また, 国際学会にて5回, 海外大学にて1回, 論文を発表した。具体的には, 6月にフランス・パリで開催されたComputing in Economics and Finance, 7月にフランスのCompiegneで開催されたInternational Workshop on Applied Probability, 7月にイギリス・ロンドンで開催されたBachelier Finance Society Fifth World Congress, 12月にオーストラリア・シドニーで開催されたQuantitative Methods in Finance Conference, 2009年1月にアメリカ・ワイキキで開催されたApplied Business Research Conferenceにおいて, 企業の潜在的財務指標に関する論文を報告した。また, 2009年3月に韓国延世大学にて同内容の論文を発表した. 最後に, ワーキングペーパーを4本執筆し, 国際ジャーナルに投稿した.
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