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2007 年度 実績報告書

東アジアにおける安全色のリスク認知の国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 19710145
研究機関早稲田大学

研究代表者

落合 信寿  早稲田大学, 人間科学学術院, 講師 (90386649)

キーワード色彩科学 / 認知科学 / 安全システム / 安全情報 / 標準化
研究概要

本研究は,安全色の国際規格と諸外国の規格との規格整合化に寄与するため,日本,中国,韓国の東アジア3カ国4地域における安全色のリスク認知の普遍性と文化的差異について国際比較を行い,東アジアにおける安全色の有効性を検証することを目的としている。平成19年度は,東京在住の日本人学生と北京,南京の中国2都市在住の中国人学生を対象に実施した調査結果の比較検討を行った。東京,北京,南京の3都市で各440名の学生を対象に,JIS Z 9103に規定された安全色8色(赤,オレンジ,黄,緑,青,赤紫,黒,白)の単色ならびに二色配色12パターンを色刺激として用いて,5段階リッカート尺度による安全色の潜在危険度の測定,安全色に対する色彩連想語の収集などを実施した。単色の潜在危険度評定に対する分散分析の結果,東京では,オレンジは黄よりも有意に危険度が低く,北京,南京では,オレンジと黄,赤紫との間に有意差がなかった。また,二色配色の危険度評定に対する分散分析結果から,東京では"オレンジ-黒"の配色は"黄-黒"の配色よりも危険度が低く,北京,南京では両者の評定に有意差がなかった。これより,単色,二色配色いずれの場合でも,従来JISで「危険」を示すオレンジはそれより危険のレベルが低い「注意」を示す黄との間で危険の度合いを明確に区分することが困難であることが明らかになった。また,赤と白の危険度評定に対して日中間で評定に大きな差異が認められた。色彩連想語の集計結果から,中国では赤に対して社会・政治,伝統・文化に関する連想語,白に対して肯定的な意味を内包する連想語と否定的な意味を内包する連想語の両方が顕著に見られた。危険度評定と連想語の出現頻度の関連性について分析を行った結果,中国における赤と白の文化的意味が潜在危険度の評定に影響を及ぼした可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 北京の学生における安全色とシグナルワードのコレスポンデンス分析2008

    • 著者名/発表者名
      落合信寿
    • 雑誌名

      セイフティダイジェスト Vol.54, No.3

      ページ: 3-8

  • [雑誌論文] 安全色のリスク認知に及ぼす文脈効果2008

    • 著者名/発表者名
      落合信寿
    • 雑誌名

      セイフティダイジェスト Vol.54, No.5(印刷中)

  • [雑誌論文] 安全色のリスク認知における北京と東京の比較:予備調査報告2007

    • 著者名/発表者名
      落合信寿, 船越美保子, 齋藤美穂
    • 雑誌名

      日本色彩学会誌 Vol.31, No.4

      ページ: 268-275

    • 査読あり
  • [学会発表] 北京の学生における安全色とシグナルワードの対応関係2007

    • 著者名/発表者名
      落合信寿, 船越美保子, 豊田千明, 齋藤美穂
    • 学会等名
      日本色彩学会
    • 発表場所
      国立新美術館
    • 年月日
      20070519-20
  • [学会発表] 安全色のリスク認知における文脈の影響2007

    • 著者名/発表者名
      落合信寿
    • 学会等名
      カラーフォーラムJAPAN2007
    • 発表場所
      工学院大学
    • 年月日
      2007-11-28

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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