安全運転管理教育システムASSISTのこれまでの車載システムは、OSにWindowsを用いたノート型PCを中心として構成したシステムであった。ところが実際にトラックにASSISTの車載システムを組み込んだところ設置スペースが少なく、また発熱やメンテナンスの面でも長期の動作には問題が起こっていた。そこで、車載システムを小型かつ低消費電力にして車載を容易にするため、OSにLinuxを用いた組み込みPCによるASSISTの車載システムの開発を行った。まず、車載するスペースに応じて3種類の車載用のハードウェアの製作を行った。また、C言語を用いた車載用のソフトウェアを開発した。記録ソフトウェアとして、シリアルポートから車間距離や速度を取得し、NTSCカメラからの画像を取得するプログラムを開発した。また、遠隔地からの指導や動作状況の確認のために通信ソフトウェアも開発した。記録データや通信プロトコルは、既に開発しているWindows版と互換性を持たせ、記録データの再生ソフトウェアといった開発済みのソフトウェアとの連携を可能とした。追突事故防止に重要な車間距離の測定にレーザレーダ距離計を用いているが、取り付けが困難な場合もあるため、ステレオカメラによる距離計測ソフトウェアの開発も行った。開発した車載システムを、運送会社の商用車に設置し運転行動の記録を行ったところ、データを記憶するコンパクトフラッシュが満杯になるまでの3ケ月間の長期間、メンテナンスなしで順調に動作することを確認した。
|