研究概要 |
1.資料・データの収集:直島において2004年の火災による植生の被害や火災前後の植生の空間分布の変化を捉えるためのデータとして,衛星データ(Terra/ASTERおよびALOS/AVNIR-2),空中写真,被害調査データを収集した。 2.焼損被害に関する基礎データベースの作成:火災前の植生については,過去の衛星データ及び空中写真と火災後に実施した現地調査のデータをもとに推定した。焼損区域については,衛星データ及び空中写真から推定した火災前後の植生変化から把握・特定した。 3.植生の可燃性の調査:代表的な植生の葉および落葉落枝の燃焼エネルギーをカロリーメータで測定した。可燃性による既存のデータは各対象に対して一つの値となっていることが一般的であるが,季節変化に伴い,植物の可燃性も季節変化することも考えられるため,季節ごとに可燃性計測を実施した。対象としたのは,延焼防止効果が見られたクスノキ,焼損を免れた森林(天然林に近い森林),落葉樹のアベマキ,焼損後に萌芽による回復が旺盛なクスノキ,焼損後に拡大が見られるメラノクシロンである。各植生において,葉,落ち葉,腐食層の可燃性を計測した。これまでに8月,9月,10月,12月,3月の計5回サンプリングし,計測を実施した。 4.植生回復状況の調査:8月,10月,1月に実施した現地踏査結果とTerra/ASTERおよびALOS/AVNIR-2の時系列解析により,焼損後の植生回復状況を把握し,植生の回復と開催前の植生との関係を考察した。
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