研究概要 |
本年度はGOの分子機能階層に対応する遺伝子群の発現総量に基づく3つの網羅的な解析の, うち, 3つめの解析である生物種間比較の研究を行った. より具体的には, 昨年度に行った実験条件の特長を解析する手法を敷衍して, 生物種間の実験条件特異的な分子機能及び. 分子機能が特異的に働く実験条件の比較解析を行った. また, 転写開始点を基本単位とした転写制御ネットワーク推定法に関する研究を継続し, 国際会議において発表を行った. 収集したCAGE絶対値発現プロファイル元に発現量に変化がみられる遺伝子の集合を抽出し, その転写開始点の形状の解析を行った. 解析手法としては, 動的計画法による転写開始点のあラインメントを用いた. また, 細胞小器官を単位とする解析を行った. CAGEを用いた解析結果とDNAマイクロアレイ等の相対但発現プロファイルの解析結果とを比較することにより, i)実験条件特異的かつ活発に働いているii)活発に働いているがどの実験条件でも働いているiii)実験条件特異的だが活発に働いていないiv)どの実験条件でも活発に働いていない, に分類する事が可能となる, 本研究の特長は, i)とiii)を分類可能なことであるため, 特にi)とiii)の差異についての解析を実施している. 解析の指針には, これまでの研究で有効性を検証してきた統計量である「情報量の差分」を用いている. 細胞小器官を単位とする解析とは, 遺伝子アノテーションのうちGOのCellular Componentの情報を用いることに対応する. これにより細胞小器官で優位に働く分子機能の解析が可能である. この手法を細胞間結合において検証した結果により有効性を確認した.
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