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2008 年度 実績報告書

特異なポリシクロプロパン抗菌物質の生合成における骨格構築機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19710174
研究機関秋田県立大学

研究代表者

常盤野 哲生  秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (50312343)

キーワードFR-q00848 / シクロプロパン / ポリケタイド / 生合成酵素 / 生合成酵素遺伝子
研究概要

前年度までに明らかにされたFR-900848の生合成経路から推測すると、目的遺伝子のうち、脂肪酸部位はポリケタイド合成酵素(PKS)により生合成され、ポリエンを生成するドメインの組を基本に持つと考えられた。よって、これまで知られている放線菌のPKS遺伝子との相同性を元に、生合成遺伝子クラスターの探索を行った。FR-900848の生産菌(Streptomyces fervens HP-891)からゲノムDNAを抽出し、制限酵素処理で40kb程度のサイズとした断片からfbsmidライブラリを作製した。異なる種間でよく保存されているPKSのKSの遺伝子配列をもとにして、degenerate PCRを行った。その結果、既知のポリエンマクロライド化合物のKSと相同性を持つDNA断片が得られたので、この断片をプローブにしてコロニーハイブリダイゼーションとサザンハイブリダイゼーションによるスクリーニングを行った。得られた陽性fbsmidのショットガンシークエンス解析の結果から、放線菌Streptomyces natalensisとavermitilisにそれぞれ由来するマクロライドPimaricinおよびFilipinに類似の生合成遺伝子が得られた。それらが持つATドメインの数とERドメインの存在は、予想する生合成遺伝子とは異なるものであった。従って、このプローブで検出されないか感度の弱い他のfbsmid中に目的の生合成遺伝子クラスターが存在する可能性が示唆された。また、先のdegenerate PCRでは他に粘液細菌由来のPKSに類似するDNA断片も得られており、今後はこれをプローブにすることで目的遺伝子を取得できる可能性がある。以上のように、FR-900848の生合成遺伝子クラスター取得に向けた基盤を構築し、新奇PKS遺伝子発見への道を開いた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Unprecedented biological cyclopropanation in the biosynthesis of FR-9008482008

    • 著者名/発表者名
      Tetsuo Tokiwano, Hiroaki Watanabe, Takashi Seo and Hideaki Oikawa
    • 雑誌名

      Chemical Communications 45号

      ページ: 6016-6018

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗真菌性抗生物質FR-900848生合成における特異なシクロプロパン環構築機構に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      清尾崇・渡辺裕知・常盤野哲生・南篤志・及川英秋
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学理工学部船橋キャンパス (千葉県船橋市)
    • 年月日
      2009-03-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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