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2008 年度 実績報告書

抗腫瘍活性を有するコチレニンAの全合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 19710176
研究機関東北大学

研究代表者

庄司 満  東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30339139)

キーワードコチレニンA / 全合成 / 抗腫瘍活性 / 14-3-3タンパク / オレフィンメタセシス
研究概要

抗腫瘍活性を有し、真核生物に普遍的に存在するコチレニンAは、細胞の分化や増殖に関するシグナル伝達経路を制御する14-3-3タンパクと会合体を形成することが、最近明らかにされた。そのため、コチレニンAを用いた生化学的研究による生命現象の解明が望まれている。しかしながら、コチレニンAの生産菌が絶え、培養による供給が非常に困難になっている。そこで、合成化学的手法によるコチレニンAの供給が望まれているが、現在までのところ、全合成は達成されていない。よって、本研究課題は非常に意義がある。
コチレニンAを合成するにあたり、多くの官能基を有する複雑な3環性骨格を、いかに構築するかが重要となる。そこで本研究では、コチレニンAを、効率的な収束的手法により合成しようと考え、研究を行った。すなわち、3環性骨格のうち、両側の2つの5員環(A、C環)をそれぞれ合成したのちに、それらを連結させながら中央のB環部8員環を構築しようと考えた。この方法は、コチレニンAの全合成および分子プローブをはじめとする各種類縁体の合成に有効であると考えられる。本方法論の有効性を確認するため、全合成に先立って、より単純な構造のモデル化合物の合成を行うこととした。実際の合成は、シクロペンタノンからA環部モデルを、アセト酢酸エチルからC環部を、それぞれ効率的に合成した。得られたA、C環部をシリルエーテルで連結した。続いて、B環部の3置換オレフィンを構築するために、閉環オレフィンメタセシス反応を試みたが、望む反応は進行しなかった。現在、他の手法を用いたB環部の構築と、コチレニンAの全合成を検討中である。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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