研究概要 |
本年度は、真正細菌の糖キャリア脂質前駆体を生成するcis型プレニル二リン酸合成酵素の生成物鎖長制御機構に関与するアミノ酸を特定することを目的として、Mycobacterium tuberulosis由来cis-ファルネシル二リン酸合成酵素(cis-FPS, C_<15>)の変異体を作製し、性質決定を行った。 cis型プレニル二リン酸合成酵素を生成物鎖長により、短鎖型(C_<15>)・中鎖型(C_<50>-C_<55>)・長鎖型(C_<70>-C_<100>)酵素の3つのグループに分類し、各グループに特徴的な配列をもつ領域を見出した。M. tuberculosis由来cis-FPSにおいて、これらの領域を中鎖および長鎖型酵素の対応する配列で置換した変異体を作製した。各変異体は大腸菌内で発現させ、精製後、その生成物炭素鎖長を逆相TLCで解析したところ、アリル性基質結合部位の近傍に変異導入を行った変異体では生成物鎖長に変化が見られたことから、M. tuberculosis由来cis-FPSにおいて、この領域が生成物鎖長制御に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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