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2008 年度 実績報告書

近交弱勢はサクラソウ集団の絶滅リスクを高めるか

研究課題

研究課題/領域番号 19710197
研究機関筑波大学

研究代表者

北本 尚子  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 研究員 (70447241)

キーワード保全 / 近交弱勢 / サクラソウ / 絶滅 / 有害遺伝子 / 連鎖地図
研究概要

近交弱勢が野生集団の絶滅確率に及ぼす影響は研究者間で意見が分かれている。この影響を明らかにするためには、近交弱勢のダイナミクスに大きく影響すると考えられる有害遺伝子座数やその相乗効果などの遺伝的背景を明らかにする必要があるが、野生種を対象とした研究はほとんどない。そこで、典型的な他殖性植物であり絶滅危惧種であるサクラソウを対象に、近親交配を行い、まず受粉から結実までに働く近交弱勢の関与遺伝子座数とその効果を推定した。
2008年春に筑波大学農林技術センターにて、自殖種子を得るために8個体400花を対象に自家受粉したが、自家不和合性が強く自殖種子は得られなかった。一方、連鎖地図の構築が進んでいる家系の中から開花の同調した2個体を選び、全きょうだい交配を行ったところ、38花に人工授粉して2524種子(1果実平均66種子)得られた。そこで、そこから94種子を任意に選び、種子から直接DNAを抽出してSSR37座の遺伝子型を決定した。次に、各遺伝子座での分離比をカイ2乗検定し、歪みが有意であったSSRの連鎖群上の位置を確かめるとともに、連鎖している対立遣伝子の効果を推定した。
その結果、5つの遺伝子座で有意な歪みが認められた。このうち、第1連鎖群上の2ca174(♀hk×♂hk)では同祖遺伝子をホモ接合で持つ結実種子の出現頻度が期待値より29%少なかったことから、その近傍に近交弱勢に関与する遺伝子座があり、対立遺伝子kと有害遺伝子が連鎖している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] サクラソウの受粉から結実までに働く近交弱勢の関与遺伝子座数とその効果の解析2009

    • 著者名/発表者名
      北本尚子
    • 学会等名
      第56回日本生態学会
    • 発表場所
      岩手県立大学
    • 年月日
      2009-03-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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