• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

経済成長下のインド農村におけるカースト経済の変容と農工間人的資源配分パターン

研究課題

研究課題/領域番号 19710209
研究機関明治大学

研究代表者

岡 通太郎  明治大学, 農学部, 講師 (70402823)

キーワードインド / 農村経済 / 農業労働賃金 / 労働市場 / 開発経済 / カースト
研究概要

調査地のグジャラート州中部および半島部(直径約400km)の農村部一帯には, 「カイミ」とよばれる一種の債務奴隷的慣行が広く存在する。こうした地主と農業労働者の間の硬直的な雇用制度が歴史的に存在する場合,当然の結果として,スムーズな農工間の労働力移動が妨げられる。H19年度はこうした土着的雇用制度がどの程度の地理的範囲で分布しているのか,また地域的な制度内容の差異はどの程度あるのか等の基礎情報を空間情報学的に整理するため,調査対象地域一帯の「制度マップ」の作成を開始した。具体的には以下の成果を得た。
・センサスデータから県別に約60ケ村をランダム・サンプリングし,カイミの有無,制度内容の差異が実地調査によって確認された。
・そのうち制度内容の異なる6ケ村(カイミの存在しない1ケ村を含む)にて10日間の定着型フィールドワークを実施し,土壌,気候,灌漑,生産,農地制度,金融市場,労働市場,教育,リスク,カースト構成,社会関係等の総合的変数データを入手した。
・これら変数を用い,回帰分析によって制度内容の差異の決定要因分析をおこない,農村賃金の決定要因が労働力の需給バランスではなくカイミ制度の有無に強く依存することが確認された。
・さらに英領期における地税制度,その後の農地改革,「緑の革命」,都市化などの歴史的経緯がカイミ制度の有無に強く影響を与えていることが明らかとなった。
なお、当初の申請額から30%強の減額がなされた。これには当初計画していた2回の現地調査を1回にすることで対応した。また,それを補うために調査補助員への謝金を増やし、調査の精度を上げた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] インド・シッキム州-農村における農村経済2008

    • 著者名/発表者名
      藤田幸一・岡通太郎, アショククンドゥ
    • 雑誌名

      『アジア経済』 49巻第3号

      ページ: 30-54

    • 査読あり
  • [学会発表] インドの農業賃金決定要因とカースト関係2007

    • 著者名/発表者名
      岡通太郎
    • 学会等名
      明治大学農学研究科定例研究会
    • 発表場所
      明治大学生田校舎
    • 年月日
      2007-10-18

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi