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2009 年度 実績報告書

経済成長下のインド農村におけるカースト経済の変容と農工間人的資源配分パターン

研究課題

研究課題/領域番号 19710209
研究機関明治大学

研究代表者

岡 通太郎  明治大学, 農学部, 講師 (70402823)

キーワード経済理論 / 農村経済 / インド
研究概要

本研究はインド農村部における特殊な農業労働慣行について、その地理的把握を中心に以下のことを解明することが目的である。この農業労働慣行とは、現地語でカイミと呼ばれる制度で、地主のもとで非常に廉価な賃金で長期間労働する代わりに、労働者は多額の借金を受けることが出来るものである。またこの制度は、カースト制度とも根深く関わっている。本研究では、まずこの制度が貧困層の都市への労働力移動の阻害要因になっているかどうかを明らかにし、ついでこの制度が存在する地域とそうでない地域の差異を歴史的に解明しようとするものである。初年度は約60力村のフィールド調査から制度の有無を地図上に示し、「制度マップ」を作成し回帰分析によって制度が及ぼす労働力移動への影響を計量的に明らかにした。2年目はその60力村の中から代表的な3力村を抽出し、より詳細な質的データを収集するとともに、具体的な労働力移動パターンの類型化を行った。本年度は、都市側の労働市場における調査を行い、労働者の出身農村での制度の有無や就職経路、また動機などを詳細に聞き取りながら、それを制度マップにフィードバックしつつ制度と労働力移動の関係を精緻化した。労働力移動を決定する要素は農村側の制度だけではなく、都市側のリクルート制度も大きく影響を受けていると考えられるため、この作業はそのバイアスを除くためにも必要である。
カースト制度を基盤とする土着の非公式経済制度の解明は、今後のインドの経済成長を占ううえで欠かせないものであり、とりわけ労働力移動の特徴を把握することは最も重要な要素である。従来1力村での個別事例による特殊な制度の報告は多いが、それを広域に把握しながらインドの経済成長に与える影響を分析したものは皆無に等しい。また本研究はそうした制度の歴史的生成過程の解明や、その変容・崩壊をも分析の俎上に乗せることを試みている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] インド農村開発論の論点-実践と研究の隔たり-2009

    • 著者名/発表者名
      岡通太郎
    • 雑誌名

      南アジア研究集会発表要旨

      ページ: 2

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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