• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

レバノン・ヒズブッラーの思想と活動の調査・研究

研究課題

研究課題/領域番号 19710213
研究機関立命館大学

研究代表者

末近 浩太  立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (70434701)

キーワード政治学 / シリア:レバノン / 政治思想 / 宗教学 / テロリズム / 地域研究 / 東洋史
研究概要

2007年度の研究実績は、下記の5点に集約される。
(1)ヒズブッラーに関するアラビア語原典資料および欧米諸言語による二次資料の収集。2度の現地調査(レバノン、シリア、英国、フランス)を通して、基本的な関係資料を収集するとともに、ヒズブッラーの活動およびそれを取り巻く環境の把握にも努めた。2006年の「レバノン紛争」の結果、民衆の意を実現するための社会運動よりもトップダウンで閉鎖的な政治・軍事組織としてのプラグマティズムがより顕著になったと思われる。
(2)(1)に基づくデータベースのパイロット版の作成。2000年以降のヒズブッラーの言動を時系列的に整理することを試みた。近年インターネットのソースも充実してきており、2005〜2007年の情報は相当数をカバーすることができた。
(3)アラビア語原典資料の翻訳および刊行。ヒズブッラー書記長H・ナスルッラーの思想を紹介するため、特に重要な演説の1つである「勝利演説」を全訳・刊行した。
(4)ヒズブッラーが掲げる「シーア派」が、今日のレバノン社会においていかなる意味を持つのかを精査した。特にレバノン・ナショナリズムとの関係を補助線とすることで、ヒズブッラーが実質的にある種の「政教分離」を行っていることが明らかになった。
(5)ヒズブッラーをはじめとする今日のイスラーム主義運動が提起する「価値」と「世界観」を国際政治という広い文脈でどのように位置づけるか、方法論的な検討を行った。欧米で発展してきた政治学や国際関係学が前提とするウェストファリア的な枠組みを再検討する必要性が明らかにされた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ヒズブッラーのレジスタンス思想:ハサン・ナスルッラー「勝利演説」2007

    • 著者名/発表者名
      末近浩太
    • 雑誌名

      イスラーム世界研究 第1巻第1号

      ページ: 150-171

  • [雑誌論文] 『9.11』後の国際政治におけるイスラーム:認知論的再考2007

    • 著者名/発表者名
      末近浩太
    • 雑誌名

      二十世紀研究 第8号

      ページ: 1-18

    • 査読あり
  • [学会発表] アラブ諸国における宗教とナショナリズム:レバノンの宗派主義体制の事例から2007

    • 著者名/発表者名
      末近浩太
    • 学会等名
      日本国際政治学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2007-10-27
  • [図書] 大久保史朗編『グローバリゼーションと人間の安全保障』(講座・人間の安全保障と国際犯罪組織 第1巻)2007

    • 著者名/発表者名
      末近浩太(共著)
    • 総ページ数
      73-94
    • 出版者
      日本評論社
  • [備考]

    • URL

      http://www.suechika-kota.net/index.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi