この研究は、現地調査に基づく農村研究が欠落しているミャンマーにおいて、少数の調査村でのフィールドワークを4年間継続的におこない、農村部住民の農業技術システムにかかわるローカルな知識(在来知)と林地にかかわる自然資源利用の変遷(地域生態史)を明らかにする。その上で、農村地域開発に関連する政策立案や事業計画策定への貢献を目指す。 継続調査をおこなう調査村は同国の中央部に位置する東南アジアでは希な半乾燥気候地域にある。農・畜・林業生産にとって比較的厳しい自然環境条件を、この地域の農村部住民がいかに取り込んで利用してその生業・生活システムを構築しているのかを明らかにし、農村部の持続的な開発に向けた指針を得ることを目的とする。 定点継続フィールドワークと空間画像解析が主な研究方法である。それぞれによって、農業生産・生活(収入)の安定性を維持する在来知の解明と環境利用の持続可能性の観点からみた地域生態史の評価を試みる。
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