研究概要 |
平成19年度は、文献研究により、フェミニスト国際関係論の先行研究のフォローを中心に行った。まず自衛隊のフィールドワークから戦後日本の集合的記憶と男性性の構築過程を描き出したSabine Fruhstuck, Uneasy Warriors: Gender, Memory, and Popular Culture in the Japanese Army (University of California Press, 2007)を読了、Social Science Japan Journa1より依頼を受けてその書評を執筆(近刊)、また、フェミニスト国際関係論の方法について検討した論文集 Brooke A. Ackerly, Maria Stern, and Jacqui True, Feminist Methodologies for International Relations (Cambridge University Press, 2006)から重要文献をピックアップして検討を行った。 さらに、東北大学21世紀COEプログラム「男女共同参両社会の法と政策」国際シンポジウム「ジェンダー平等と社会的多様性をめぐる国際的展望」(7月29日-31日、仙台国際センター)に出席し、第一分科会「公的領域のジェンダー平等」の講演者Sandra Whitworth教授(ヨーク大学)およびそのコメンテータを務められた土佐弘之教授(神戸大学)らとともに、国連平和維持軍の「男性化された」活動に対してフェミニスト国際関係論はいかなる問題提起をしうるのかという点を中心に意見交換を行った。
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