研究概要 |
平成20年度は、19年度に引き続き、文献研究によりフェミニスト国際関係論の先行研究のフォローを行った。そのうち、自衛隊のフィールドワークから戦後日本の集合的記憶と男性性の構築過程を描き出したSabine Fruhstuck,Uneasy Warriors : Gender, Memory, and Popular Culture in the Japanese Army (University of California Press, 2007)の書評をSocial Science Japan Journalに、国際平和維持における女性の役割について考察した論文集Louise Olssonand Torunn L. Tryggestad eds., Women and International Peacekeeping (Frank Cass Publishers, 2001) Brooke A. Ackerly, Maria Stern, and Jacqui True, Feminist Methodologies for International Relations (Cambridge University Press, 2006)の書評を『国際ジェンダー学会誌』に掲載した。 また、婦人民主クラブの機関誌『ふえみん』の特集記事「基地・軍隊と女性一軍隊の中の女性たち」や女性自衛官の人権裁判を支援する会主催の講演会「『軍事組織とジェンダー』を考える」において、文献研究で得られた知見を広く市民に還元することに努めた。 さらに、3月5日から17日にかけてアメリカ合衆国に滞在し、ニューヨーク公立図書館、国際連合本部、国立公文書館、アメリカ女性軍人記念館などの関連施設において、国連安保理決議1325号の採択および実施に関する資料を収集した。
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