本研究は、マクロな国際関係とミクロなジェンダー関係を架橋するフェミニスト国際関係論の立場から、国連の平和・安全保障政策と女性平和組織との関係を分析するものである。近年、国際社会では平和構築における女性の役割が重視され、平和維持活動への女性の参与を含む平和・安全保障政策のジェンダー主流化が漸次進行しつつある。国連を中心に提起されてきたこのプロセスには、国際NGOの女性平和運動家たちのコミットメントが大きく寄与していると言われてきた。本研究では女性国際平和自由連盟(WILPF)等のケース・スタディを通じて、女性平和組織が国際関係のアクターとしてどのような役割を果たしているのかを調査し、政策推進の背景にあるジェンダー観を批判的に検討することを目的とするものである。
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