現代社会において、特にセンセーショナルに注目を集めた犯罪やテロに関する語りをマスコミ報道や文学作品などから収集し、その語りの分析を通して、何が他者化され怪物として表象されるのか考察する。そこから現代社会が特徴的に抱える恐怖の構造を照射する。 既存の文学領域を超え、社会における「語り」と総合的に捉え、ジェンダーの視点を大いに用いて分析するもので、対象として日本社会、欧米社会を比較的に扱うが、それはインターネット時代の到来を迎え、もはや国境という概念が無意味化する中での「脅威」を明らかにするためである。 明瞭なイデオロギーが欠如し、複雑で混沌とした現代社会の分析として、これまでの領域分断的研究手法では到達不可能であったあらたな知の領域を目指す。
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