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2010 年度 実績報告書

アメリカの日本占領とせめぎ合う家族イデオロギー

研究課題

研究課題/領域番号 19710224
研究機関関西大学

研究代表者

豊田 真穂  関西大学, 文学部, 准教授 (20434821)

キーワードジェンダー史 / アメリカ / 対日占領 / 家族 / 日米女性史 / バースコントロール / 優生思想 / 人口政策
研究概要

占領期を通して、日本政府は切迫した人口増加問題を抱えつつも、バースコントロールは人口抑制の手段と公言することはなかった。その転換点は、アメリカ人慈善活動家でバースコントロールの推進のために世界規模での寄付をしたクラレンス・ギャンブルの呼びかけによって東京で開催された1955年の国際家族計画連盟(IPPF)会議である。そこで本研究は、昨年度に引き続き、「クラレンス・ギャンブル文書」及び妻の「サラ・ギャンブル文書」の資料調査を行い、そもそもギャンブルがなぜバースコントロールを推進するようになったのか、さらにギャンブルがどのようにして日本と関わるようになったのかを明らかにした。このように日本のバースコントロール運動をアメリカ国内における運動との連続性のなかで理解した結果、ギャンブルがバースコントロールを推進したのは、アメリカ白人エリート層のような「適者」が安心して暮らせるように、世界規模での「逆淘汰」を防ぐためであったことが明らかになった。つまりアメリカで支持をあつめた優生学的な「家族像」の日本への輸出ともいえる。以上のように、ギャンブルに焦点を当てることによって、アメリカ日本占領期には、白人ミドルクラスの理想とする「家族像」が、日本にもたらされたことが明らかになった。それは当然のことながら、日本側でこうした思想を積極的に受けいれる人びとがいたためでもある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 戦後日本のバースコントロール運動と第5回国際家族計画会議-クラレンス・ギャンブルの関わりを中心に-2010

    • 著者名/発表者名
      豊田真穂
    • 雑誌名

      ジェンダー史学

      巻: 第6号 ページ: 55-70

    • 査読あり
  • [図書] 『ジェンダーと政策』第3章「クラレンス・ギャンブルと戦後日本におけるバースコントロール」2011

    • 著者名/発表者名
      落合恵美子編著
    • 出版者
      ミネルヴァ書房(印刷中)
  • [図書] 『アメリカ・ジェンダー史研究入門』コラム8「アメリカ占領下の日本における性・生殖・人口のコントロール」2010

    • 著者名/発表者名
      有賀夏紀・小檜山ルイ編
    • 総ページ数
      291-297
    • 出版者
      青木書店
  • [備考]

    • URL

      http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp//~maho/toyoda/Profile.html

  • [備考]

    • URL

      http://gakujo.kansai-u.ac.jp/profile/ja/Oba68717aff80301a58em98ef16Lh.html

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公開日: 2012-07-19  

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