(1) 本研究の目的は、「家族」をめぐるイデオロギーに焦点を当てることで、アメリカ占領下の日本における「女性解放」政策の歴史的意義を再評価することにある。その際、家族と生殖に関する諸法律や政策を検討することによって、占領下でどのような「家族」像が規定されていったのかを検討する。戦後すべての制度は、その家族イデオロギーを前提として組み立てられてきたのであり、その意味でこの時期に策定された「家族」のモデルを明らかにすることは重要である。 (2) 本研究においては、占領期を日米の家族観やジェンダー観がせめぎ合う場としてとらえ、人口政策と性・生殖のコントロールという観点から家族政策を考察し、どのような家族観が前提となって、改革として結実したのかを実証的に探る。
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