研究概要 |
聴覚文化論の理論的動向を摂取するとともに,美学・文化研究への接合可能性を探るべく,京阪神の若手研究者による研究会を組織し,継続的に開催した。従来の音楽学や表象文化論,サウンドスケープ論などが見落としてきた聴取技法の歴史的展開への注目の必要性が確認され,メディア論や都市空間論へ理論的接合点のいくつかが明らかになった。また,共同研究員として参画している国立国際日本文化研究センターの共同研究「文化の所有と拡散」での議論を踏まえつつ,聴覚と所有の問題系についての理論的研究を行い,特に「声」という音響素材が持つ主体との特殊な関わりについて,公開研究会や雑誌論文において中間的な報告を行った。さらに,都市空間における音響メディアの使用様態に対する予備的な調査を行った(フィールドワーク,ヒアリング)。
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