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2008 年度 実績報告書

江戸前期町絵師の活動状況についての研究-尾形光琳を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 19720034
研究機関独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所

研究代表者

江村 知子  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 企画情報部, 研究員 (20350382)

キーワード美術史 / 近世絵画 / 尾形光琳 / 琳派
研究概要

町絵師とは、宮廷・幕府・大名などに仕えず、市井において絵を描くことを生業とした人々のことを指す。これまでの美術史研究ことに近世絵画史研究においては、個々の作家や作品を主軸に研究が進展してきたため、相対的・総合的な考察が不十分であった。本研究では尾形光琳の活動状況を共時的視点から捉えることにより、江戸前期の町絵師の活動状況を明らかにすることを目的とする。第二年次にあたる本年度は、前年度にテキストデータ化を行った「光琳関係資料」(京都国立博物館・大阪市立美術館分蔵)について、一全体的な校正・検証作業を中心に作業を進め、データ整備と資料の補足を行った。文献等資料研究と同時に、「光琳関係資料」の画稿に含まれている画題(人物図・草花図)を中心に絵画作品調査を行い、その源泉として想定される土佐派・宗達派などの作品を比較参照しながら考察を進めた。またデータ公開にむけての問題点や方向性について、関連研究者等への聞き取り調査もふまえ、現在のハードウェアやソフトウェアの諸環境を鑑みて検討を行い、各種試行と準備を進めた。
共著論文集の一篇として発表した論文「尾形光琳筆「四季草花図」について」では、作品調査に基づき、光琳資料中の画稿類と比較検討を行い、作品の成立過程と表現の特質を明らかにした。制作後およそ300年が経過している「四季草花図」は、顔料の剥落や有機材料による彩色部分の退色が進行しており、作品制作の具体像を把握するためには、関連作品を含む実作品の詳細な調査が必要不可欠となる。作品調査と資料考察とを総合して、尾形光琳の草花図の特徴と18世紀初頭の草花図の需要と展開について例証した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 論文名「尾形光琳筆「四季草花図」について」『日本美術氏の杜-村重寧先生・星山晋也先生古希記念論文集』2008

    • 著者名/発表者名
      江村知子(共編著)
    • 総ページ数
      352-365(615)
    • 出版者
      竹林舎

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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