本年度は神奈川県立金沢文庫における関連資料の調査を重点的に行った。 神奈川県立金沢文庫では『長谷寺密奏記』をはじめとする古写本の調査を実施した。とりわけ『長谷寺密奏記』の最古本と推測される写本を調査できたことは本研究計画実施にとって重要であり、長谷観音伝承の形成と展開を知る上で基礎的かつ重要な知見を得ることができた。 本年度は以上に記した調査等を通じて、長谷観音伝承の収集と目録化を行うための基礎作業を行うとともに、長谷寺の説話伝承と関わりの深い後鳥羽院や興福寺に関する研究論文を公にした。また台湾・銘傳大學2009國際學術研討会「應用日語學系語言與文化之研究・應用學術研討会」において「天神のキャラクター-長谷寺の天神信仰を例として-」と題する研究報告を行った。
|