研究概要 |
本研究は18世紀末から19世紀のアメリカに場した歴史家たち(とりわけJeremy Belknap, Jared Sparks, Francis Parkman)の著作を取り上げ、独立後聞もないアメリカ合衆国がどのようにして自らの歴史を定義し創造するようになったかを分析するものである。具体的には上述の歴史家たちの著作を「土地の文学("the literature of the place")」という独立当時広く流通した博物誌のジャンルに関連づけ、これによって彼らの歴史に見られる非時間的・空間的な性質をあぶり出す。本研究の目的は、アメリカ歴史学黎明期のテクストに博物誌(ナチュラル・ヒストリー)から国家史(ナショナル・ヒストリー)へと枠組みが移行する契機を認め、非時間的・空間的な存在としてのアメリカが国家として時間化・歴史化される過程を例証することである。
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