本研究の成果は、19世紀のアメリカ・ルネサンス期の文学研究、特にナサニエル・ホーソーンの諸作品の研究に、風景論や空間論といった新しい学際的アプローチを取り入れながら、作品に表象されている風景や場所、空間などに反映された歴史的イデオロギーを分析したことにある。ホーソーンの作品を、ソローやエマソン、クーパーなど、様々な19世紀アメリカ・ルネッサンスを代表する作家達の作品と比較しながら、彼らのテクストに描かれる19世紀アメリカの風景や場所や空間が、どのような歴史的・政治的イデオロギーを孕んでいるのか、またそれが作家たちによってどのように認識されているかを検証し、その成果を最終的に博士学位請求論文の形でまとめた。
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