本研究は広東語の談話活動におけるモダリティ(話し手の発話内容をめぐる主観的態度)の主な表現形式として文末助詞を取り上げ、いくつかの形式に見られる多機能化の様相を明らかにし、また、音声形態と意味機能との相関を探った。具体的には、本来、別な機能を表す形式が、機能拡張を経て談話的機能を担うようになるケースを分析したが、いずれの場合も元の語彙的意味や機能が文末助詞の談話的機能に引き継がれていることが明らかにされた。また、発話伝達方略に関わる文末助詞においては、声調や韻母が一定の意味機能を担っている可能性が示唆された。
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