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2007 年度 実績報告書

身体の拡張としての道具を表すことばの対照言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19720088
研究機関東北大学

研究代表者

西田 光一  東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80326454)

キーワード身体の拡張としての道具 / 譲渡不可能物を表すことば / 異物の自己化 / 照応関係 / 再帰代名詞と束縛関係 / 慣用句と修辞的表現 / 語用論化 / 指示の転移表現
研究概要

平成19年度は、道具が身体の拡張として位置づけられ、それに応じ、道具を表すことばの文法的特徴も身体を表すことばの文法的特徴に同化することを明らかにするべく、次の5点について研究を進めた。
1 譲渡不可能物を表すことばを研究し、その文法的特徴を洗い直した。もともとは譲渡可能所有物でも、道具のように身体と一体化したものは譲渡不可能物扱いされるという「異物の自己化」の仕組みが明らかになってきた。
2 身体部位名詞は、どこまで再帰代名詞と文法的特徴が共通しているかという問題に答えるべく、束縛関係の適用範囲と照応詞の認定基準を検討した。現在は、照応関係を結ぶ表現の諸特徴を分解し、照応詞らしさの度合いを測る基準を開発している。照応関係には、同一節内で成り立つものと談話内で成り立つものがあるが、後者については研究成果を2回の国際学会において英語で発表した。
3 統語論と語用論の関係、および統語論と修辞の接点を検討した。慣用句の統語的特徴を分析し、修辞的表現に応用される統語的操作には、どのようなものがあるかを調査した。
4 語用論化(pragmaticalization)の知見を摂取し、会話の含意から慣例的含意への移行という視点から慣用句の成立過程を調査した。これについては、成果をEnglish Linguistics 24.1に掲載の書評論文として発表した。
5 人称代名詞に焦点をあて、指示の転移表現(reference shifters)について研究を進めた。直接目的語の位置の再帰代名詞が同一節内の主語の人の作品や、その人の像などを指すことがあるが、これは、再帰代名詞が譲渡不可能所有物を表す基本用法から拡張し、譲渡不可能所有物に隣接したものや譲渡不可能所有物の一部を組み込んだものを指す用法である。再帰代名詞の転移表現の用法と「異物の自己化」の関係について研究成果をまとめている段階である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Pragmaticalization and the History of Japanese Discourse Markers: Review Article on Japanese Discourse Markers: Synchronic and Diachronic Discourse Analysis, by Noriko O. Onodera, John Benjamins, Amsterdam, 2004, xiv+25lpp.2007

    • 著者名/発表者名
      Koichi Nishida
    • 雑誌名

      English Linguistics 24.1

      ページ: 184-211

    • 査読あり
  • [学会発表] An Implicature-based Account of the Choice of Anaphoric Forms2007

    • 著者名/発表者名
      Koichi Nishida
    • 学会等名
      日本語用論学会(The Pragmatics Society of Japan)
    • 発表場所
      関西外国語大学
    • 年月日
      2007-12-09
  • [学会発表] Definiteness, Indefiniteness, and Anaphoric Relations in English2007

    • 著者名/発表者名
      Koichi Nishida
    • 学会等名
      Poetics and Linguistics Association (PALA)
    • 発表場所
      関西外国語大学
    • 年月日
      2007-08-02
  • [備考]

    • URL

      http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/6ffd9da9a5a9109badaf389f5f98350a.html

  • [備考]

    • URL

      http://ling.human.is.tohoku.ac.jp/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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