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2010 年度 実績報告書

韻律語形成の適格性を制御する音韻特性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19720091
研究機関筑波大学

研究代表者

那須 昭夫  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (00294174)

キーワードプロソディ / オノマトペ / 音韻論 / 反復現象 / 特殊モーラ / 促音 / 最適性理論
研究概要

平成22年度は,これまでの研究(1.オノマトペにおける非対称性,2.新造オノマトペの音韻特性,3.部分反復オノマトペの語形成,4.短縮語・混成語の形成に影響する音韻特性)を踏まえ,韻律語形成過程に働く機序について考察を進めた。重要な成果としては,1)部分反復オノマトペでの反復辞生成の機序を制約階層を通じて一般化し,いわゆる「無標形の表出」と呼ばれる文法性を見出したこと,2)部分反復過程において特殊モーラが不可視的な振る舞いを見せる理由を,鋳型の韻律構造(軽音節であること)の影響として明らかにしたこと,3)促音に関する音韻論的検討を通じて,オノマトペの語末促音の機能特性を明らかにする上で必要とされる音声学的問題を発掘したことである。これらのうち1)2)については研究論文で公表し,3)については重子音に関する国際ワークショップ(GemCon2011)での発表を通じて活発な議論を行うことができた。また,本年度は本研究課題の最終年度に相当するが,研究期間を通じて,日本語の韻律語形成過程における特殊モーラの諸特性を以下の点から明らかにできた。(a)特殊モーラが出力語形から排除されるケースでは,当該特殊モーラにおいて固有の分節構造が欠損していること。(b)特殊モーラの中でも促音は一般語彙の韻律語形成過程においては不可視的に振る舞いやすいが,オノマトペにおいては韻律調整要素として可視的に働くこと。(c)撥音は語種を問わず比較的安定で,アクセント形成や短縮などの局面において自立モーラに近似した振る舞いを見せること。なお,本研究ではオノマトペに関して当初の予測を越えて豊富な問題が見出されたため,結果として一般語の現象に関しては若干ながら課題も残ることとなったが,オノマトペに関して見出された本研究の知見は,語種間の性質の異同を探究する際にも今後十分に寄与し得るものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 部分反復オノマトペにおける韻律写像と無標志向性2010

    • 著者名/発表者名
      那須昭夫
    • 雑誌名

      KLS

      巻: 30 ページ: 278-289

    • 査読あり
  • [学会発表] オノマトペの促音2011

    • 著者名/発表者名
      那須昭夫
    • 学会等名
      International Workshop on Geminate Consonants
    • 発表場所
      神戸大学(兵庫県)
    • 年月日
      2011-01-08
  • [備考]

    • URL

      http://www.trios.tsukuba.ac.jp/Profiles/0001/0002346/profile.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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