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2008 年度 実績報告書

共感覚的比喩の「一方向性仮説」に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19720096
研究機関琉球大学

研究代表者

武藤 彩加  琉球大学, 留学生センター, 講師 (00412809)

キーワード共感覚的比喩 / 一方向性仮説 / 言語普遍性 / 生理学的普遍 / 身体性 / 生得性 / 経験的基盤 / 五感
研究概要

この研究は、言語普遍性の現象のひとつとされる「共感覚的比喩」の「一方向性仮説」について、主な言語20を対象に調査を行うものである。なおこれまで英語と日本語以外の言語について調査は行われていない。
共感覚的比験に関する先行研究ではWilliams(1976)が代表的なものである。Williamsは「英語」における五感を表す語の意味の転用の方向性をいわゆる接触感覚(触覚、味覚、嗅覚)から遠隔感覚(視覚、聴覚)への一方向の転用であるとした(Williams(1976 : 463))。一方日本語についても、この英語の「一方向性仮説」が日本語にも当てはまるとする研究が多く、山梨(1988 : 60)では英語と基本的に同様の「日本語の共感覚的比喩体系」図が示されている。しかしここで提示されているデータの数はわずかであり、さらに検討する必要がある。
そこで本研究では「各言語の共感覚的比喰体系には、様々な多様性が認められる」という仮設を立て検証する。英語と日本語以外にも、公用語として使用されている言語のうち話者数の上位20を調査の対象とする。本研究は人間の生理学的普遍と文化等によって異なる経験的基盤との兼ね合いに関する考察であることから、言葉の意味に関する重要なテーマの一部を担うものである。
2007年度は、英語、中国語、タイ語、韓国語、ロシア語、スペイン語、マレー語、ベンガル語(計8言語)および日本語における「視覚→他の感覚」(一方向性仮説に反する例)および「触覚→他の感覚」(一方向性仮説に従う例)ついて調査を行った。得られた結果の一部をごく簡略に述べると、前者も後者も上位の言語は英語、日本語、中国語の3つであり、一方向性仮説に反する例が多く存在する。2008年度も引き続き5つの言語を対象に調査を行う予定である。
(引用文献)
山梨正明(1988)『比嶮と理解』(認知科学選謬17), 東京大学出版会.
Williams Joseph M.(1976)"Synaesthetic adjectives : apossible law of semantic change", Language, 52 : 2. pp.461-477.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「9つの言語における『共感覚的比喩』-「触覚を表す語」と「視覚を表す語」を中心に」2008

    • 著者名/発表者名
      武藤彩加
    • 雑誌名

      『JCLA Conference Handbook 2008』, 日本認知言語学会. pp.135-138

      ページ: 135-138

    • 査読あり
  • [学会発表] 「9つの言語における『共感覚的比喩』-「触覚を表す語」と「視覚を表す語」を中心に」2008

    • 著者名/発表者名
      武藤彩加
    • 学会等名
      日本認知言語学会第9回全国大会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知)
    • 年月日
      2008-09-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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