研究課題
若手研究(B)
本研究は、これまで行ってきた感覚間の意味転用には人間の認識システムがどう関わるかという課題に関わる更なる考察である。言語普遍性の現象のひとつとされる共感覚的比喩の一方向性仮説について、「各言語の共感覚的比喩体系には、様々な多様性が認められる」という仮説を立てて検証することを目的とした。・調査1:計 15言語における視覚および触覚から他の感覚への転用に関する言語調査および分析(被験者数75名)。・調査2:計3言語を対象とした触覚、視覚、味覚、嗅覚、聴覚から他の感覚への転用に関する調査および分析(被験者数180名)。・調査3:スウェーデン語における味を表す言葉に関する調査および分析(被験者数60名)。調査1および調査2においても、各言語の共感覚的比喩体系には多様性が認められるという結果を得た。中でも仮説の反例である「嗅覚→味覚」および「聴覚→味覚」表現については、複数の言語において転用の割合が高いという言語事実が明らかになった。以上の結果から、各言語における共感覚的比喩体系は決して一方向ではないものの、言語の違いを超えた普遍的な要素が存在する可能性があると結論づけられる。
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日本認知言語学会論文集 日本認知言語学会 第11巻(近刊)
the 2010 Seoul International Conference on Linguistics, Conference Papers(Refereed by Full Paper)
KLS 30(Proceedings of Kansai Linguistic Society), 関西言語学会
ページ: 203-214
日本認知言語学会論文集 日本認知言語学会 第9巻
ページ: 181-190
留学生教育 琉球大学留学生センター 第5号
ページ: 1-18