研究概要 |
本年度は、昨年度同様、現地調査を一画行いデータ収集に努めたほか主として調査によって得られた資料の整理と分析の準備を行った。すなわち、得られた一次言語資料を電子化し、また、ブータン諸言語に関する文献の資料も入力しつつある。 現地調査は、2009年2月10日から3月8日、ブータン圧国トンサ県及びシェムガン県にて行った。主たる研究対象であるマンデビ語ツァンカ方言については、文法調査のほか民話や自然発話の音声資料を収集した。このほか、周辺で話されるケン語シェムガン方言についても語彙調査をおこなった。 本年度および来年度において、形態統語論に関わる資料を収集整理する予定である。マンデビ語の形態統語論は他のブータン諸言語とパラレルな現象が見られると言われているが動詞形態論においては非常に面白い現業も見いだされるため、慎重な分析が必要である。しかし、今のところ資料は十分ではなく、さらに多くの資料を収集する必要がある。 今年度は談話資料を収集する必要性から、民話の収集も始めている。これは、格標識が談話の中で果たす役割や、格標識の省略などを分析する上で必要な資料である。 このほか, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の記述言語学研究会, Hmlayan Languages Syposiumなど、内外の学会・研究会に出席し、研究討議をおこなった。 現地調査で得た一次資料をもとにマンデビ語ツァンカ方言に関する記述言語学的立場からの予備的考察を進めた。その成果は,東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の共同研究、京都大学主催のチベット=ビルマ言語学研究会、2009年7月に行われる15th Hmalayan Languages Symposiulnなど内外の学会・研究会に出席し研究討議を行う予定
|