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2008 年度 実績報告書

叙述の類型から見た状態文とその統語構造の類型論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19720102
研究機関関西看護医療大学

研究代表者

眞野 美穂  関西看護医療大学, 看護学部, 講師 (10419484)

キーワード言語学 / 類型論 / 日本語 : 英語 : 韓国語 / 統語論 / 状態文 / 叙述の類型 / 状態 / 属性
研究概要

本研究の目的は、出来事を述べる事象文(非状態文)と比べ研究の遅れている物事の状態や属性を述べる状態文の統語構造を、日本語文法研究の研究成果を踏まえ益岡氏が提案してきた「叙述の類型」という観点から通言語的に解明することである。
そのためにまず、日韓英語を対照とし、その状態文について、特に状態文内での差異に着目し調査、分析を行った。「叙述の類型」で区別される二種の叙述の類型(事象叙述・属性叙述)の重要な差異は「文が時間軸上に位置づけられた叙述を行うかどうか」であるが、その点において各言語の状態文は一律の性質を持つわけではなく、(一時的)状態を表す(事象叙述)か、属性を表す(属性叙述)かにより様々な統語的差異が観察されることが明らかになった。また、そのような差異を示す統語現象は言語間で相違はあるものの、類似している。さらに、述語はいつも決まった型の叙述を行うわけではなく、生じる構文によりその叙述の類型は決定され、それにより統語的・意味的特性も決まるのであるが、本研究では、どのような構文でどのような叙述が行われるかについて分析を行い、その要因を考察した。
二点目として、状態文と事象文の関連について日本語を中心に研究を行った。特に非規範的な格標識を取る状態文である与格主語構文に焦点を当て、その構文が外部所有者項文として、状態から事象に広がりつつあること、そしてその広がりには「所有」の概念が深く関係することを明らかにした。
これらにより、研究の遅れていた種々の状態文の統語構造の差異とそれに関わる要因、状態文と事象文の関係についての動的な側面について、類型的な観点から新たな知見が得られたと考える。また、日本語について提案された「叙述の類型」が通言語的言語研究にも有効な概念であることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 状態と属性-形容詞類の働き2009

    • 著者名/発表者名
      眞野美穂・影山太郎
    • 雑誌名

      影山太郎(編)『日英対照形容詞・副詞の意味と構文』大修館書店

      ページ: 43-75

  • [雑誌論文] 「状態文の時間性と叙述の類型」2008

    • 著者名/発表者名
      眞野美穂
    • 雑誌名

      益岡隆志(編)『叙述類型論』くろしお出版

      ページ: 67-92

  • [雑誌論文] 「叙述類型研究史(海外編)2008

    • 著者名/発表者名
      眞野美穂
    • 雑誌名

      益岡隆志(編)『叙述類型論』くろしお出版

      ページ: 193-220

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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